一般社団法人とは?基礎知識から設立するまでのすべて

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一般社団法人とは、営利を目的としない非営利団体になります。人の集合に対して法人格が受けられたものになります。

一般社団法人を設立するためには、社員(発起人)が2名以上必要になります。社員には個人だけでなく、法人も就任できます。

一般社団法人は、社団法人の一部になります。社団法人には、一般社団法人と公益社団法人があります。したがって、一般社団法人は株式会社と異なります。株式会社は、営利を目的とした営利団体です。

このように聞くと、一般社団法人はずいぶん堅い組織の印象を受けるかもしれません。株式会社のように利益を追求してはいけないのではないかと思うかもしれません。

しかしながら、一般社団法人の設立は株式会社と同じような手続きで設立が可能です。一般社団法人は、株式会社と同じように利益を追求しても、利益をたくさん出しても構いません。

すなわち、一般社団法人の活動範囲というのは、株式会社ができることとほとんど同じと考えてもよいです。

ここでは、一般社団法人とはどのような組織なのかを詳しく紹介します。

一般社団法人に関する基礎知識をはじめ、実際に設立するまでの手続きの流れや方法、一般社団法人を設立するメリット・デメリット、資本金や税金などお金について、それぞれのパートごとに分けて紹介していきます。

より詳しく調べたい方は、各パートごとにさらに詳細に記した記事のリンクを付けておきましたので、一つひとつ読み深めていただければ、一般社団法人についてのすべて理解することができます。

目次

1. 一般社団法人とはどのような法人か?

一般社団法人は2008年12月1日に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」をもとに設立された社団法人のことを指します。

まずは、一般社団法人とはどのような法人なのかを確認していきましょう。

1-1. 一般社団法人は非営利団体

非営利団体と聞くと、利益を追求してはいけないと思うかもしれませんが、決してそのようなことはありません。株式会社のように、利益を追求して構いません。どんなに儲けても構いません。

「営利」「非営利」の考え方は、一般認識からするとずいぶん異なります。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で使われている「営利」という言葉の意味は、「利益配分」のことを指します。

したがって、一般社団法人は利益分配をしない、配当を出さない組織、ということになります。

一方、株式会社は利益が出たら株主に配当を出します。ここが株式会社との大きな違いになります。

1-2. 一般社団法人は配当はできないが、報酬を出せる

利益を出しても配当できないとなると、利益を出しても受け取れないことになる、と考えるかもしれません。

ところが、利益に関しては、設立時社員(発起人のこと。株式会社の株主に相当する)に配当はできませんが、一般社団法人を実際に運営する理事(役員のこと。株式会社の取締役に相当する)は理事報酬として受け取ることができます。

一般社団法人では、社員と理事が同一人物であることが多くあります。創設者と運営・執行する人物が同じことが多いです。

すると、社員としての配当はないけれども、理事が理事報酬を受け取ることできます。つまり、お給料としては一定のルールの中で受け取ることができる、ということになります。

ちなみに、理事報酬の法律上の上限はありません。利益に応じて、高額な報酬を受け取ることも可能です。ただし、倫理上の問題もありますので、社会通念に従った金額にするのが妥当です。

1-3. 利益は永く続く組織にするために必要

一般社団法人は、株式会社のようにかなり自由度の高い組織運営ができます。すなわち、営業による利益を出しても構いません。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の意味は、「永く続くような社会貢献になる事業をしてほしい」という思いでもあります。しっかりと利益を出さなければ、事業を継続できなくなります。

1-4. 一般社団法人と株式会社の違い

一般社団法人と株式会社の違いは、大きくは次の2点です。

一般社団法人は非営利団体

一般社団法人は非営利団体、株式会社は営利団体。

この意味は先ほども記しましたが、利益が出た際の分配に違いが出てきます。

一般社団法人は、オーナー(創設者・社員)に利益を還元できません。株式会社は、オーナー(株主)に利益を還元できます。

利益分配ができるのが、営利団体の株式会社。利益配分ができないのが、非営利団体の一般社団法人、ということになります。

一般社団法人は上場できない

一般社団法人は株式会社ではありませんので、株券がありません。従って、株式を上場することができません。一般社団法人では、出資という概念がありません。基金が採用されています。

基金とは、拠出金のことです。つまり、返済義務のある貸付金ということです。法人の活動資金を一時かしておいてあげる、という意味合いです。

株式会社の株式は、返還義務のない性質のお金です。投資してリターンを求める出資になります。

関連記事:『一般社団法人と株式会社の4つの違いを徹底解説

1-5. 一般社団法人を立ち上げるメリットとは

一般社団法人の全体像を押さえるにあたり、一般社団法人を設立するメリットにはどのようなことがあるのかを確認しましょう。そして、自分がしようとしていることは一般社団法人に向いているかどうか、をはっきりさせる必要があります。

そして、一般社団法人で協会を設立することが多くあります。一般社団法人が協会に向いている点もよく押さえておいてください。

例えば、前述した通り、活動に関しては株式会社と同等の自由度があります。事業を営むにあたっては、活動に制限がないほうがうまくいく可能性が高まります。

そして、法人登記以外の申請などがないため、設立後に行政などへの許認可や報告義務もありませんので、制約が少なくなります。

また、NPO法人(特定非営利活動法人)では社員(発起人)が10名必要に対して、一般社団法人では2名で設立が可能です。(本人と本人の法人の場合は1人でも可能です)人数が少なければ少ないほど、意見が分かれずにスムーズな運営ができます。

いずれ、税制面での優遇措置を受けたい場合には、公益法人への移行が可能になります。すると、一般社団法人から公益社団法人と名称が変わります。そして、営利活動以外は非課税になります。

それ以外にも、法人手続きが簡単であること、法人名義で取引ができること、信用を与えられること、設立費用が安いこと、公益的で聞こえがいいことなどがあげられます。

参考記事

一般社団法人を設立するメリットは、以下の記事に詳しくまとめました。参考にしていただければ幸いです。

一般社団法人を設立する16のメリットと4のデメリット

1-6. 一般社団法人に就職しても公務員ではない

一般社団法人は非営利団体ですので、公益的な事業を行ってることが多いです。したがって、見え方からすると行政の仕事のようで、公務員と思うかもしれません。

しかし、公務員ではありません。前述した通り、非営利団体であっても、株式会社と同じような営利活動をしても構わない組織になります。

2. 一般社団法人を設立するには?

「一般社団法人を設立する」となると、とても難しく思えるかもしれません。

確かに、かつて社団法人を設立するには、行政の指導に沿った難しい手続きや申請が必要でした。

ところが、平成20年の公益法人制度改革が行われたことにより、一般社団法人は誰でも登記だけで設立できるようになりました。

つまり、行政などに書類を提出したり、認可を待ったりなどせずに、株式会社を設立するのと同じような手続きだけで設立が可能になりました。

ここでは、一般社団法人を設立する際の押さえておきたいポイントを解説します。

2-1. 一般社団法人設立の費用

一般社団法人の設立にかかる費用の内訳は、以下の通りです。

  •   公証人役場で定款の認証にかかる費用:5万円
  •   法務局に申請にかかる法定費用:6万円
  •   一般社団法人の実印や社員や理事の印鑑証明などにかかる費用:数千円

どんなに少なく見積もっても、12万円程度はかかります。

それ以外にも、人を雇うならば、人件費。事務所を構えるならば、不動産や家賃代。事務所で使う家具、および事務用のOA機器類、文房具代。提供するサービスに使う材料費などがかかります。

関連記事:『一般社団法人の設立費用はいくらかかるのか?

2-2. 一般社団法人設立の必要書類

一般社団法人を設立するにあたり、必要となる書類は以下の通りです。

  •  定款
  •  一般社団法人設立登記申請書
  •  代表理事就任承諾書
  •  理事就任承諾書
  •  登記すべき事項
  •  設立時理事の選任及び主たる事務所所在場所の決定に関する決議書

2-3. 一般社団法人設立の登記

一般社団法人の登記とは、定款とその他の必要書類を法務局(登記所)に提出することです。法人の“出生届”になります。

一般社団法人の登記は、申請のみで設立することができます。登記申請とは、団体の名称、設立の目的、役員や理事などを管轄の法務局に届け出ることを言います。

一般社団法人の登記は、株式会社と同じく、誰でも設立できます。

関連記事:『一般社団法人の登記事項と登記の流れ

2-4. 一般社団法人設立の定款

一般社団法人の定款では、以下の事項を必ずを記載しなければなりません。

これを定款の絶対的記載事項と言います。

  •  一般社団法人の目的
  •  一般社団法人の名称
  •  主たる事務所の所在地
  •  設立時の社員の氏名または名称、および住所
  •  社員の資格の得喪に関する規定
  •  公告方法
  •  事業年度
  •  監事、理事会、会計監査人を置く場合には、その旨の定め

関連記事:『一般社団法人の定款の作り方と記載事項まとめ

2-5. 一般社団法人設立の期間

一般社団法人の設立にかかる期間は、定款が完成してから、20日間程度です。

定款は一般社団法人の基本規則を記したものですので、必ず作成しなければなりません。定款には、絶対的記載事項があり、一つでも欠けてしまうと認証されません。

定款の作成が終了したら、公証人役場に赴き、定款を提出し公証人の認証を受けます。定款の認証とは、作成した定款が法的に効力があることを公証人が証明することです。認証には、数日要します。

その後、法務局へ提出する書類を作成して、設立の登記申請を行います。法務局へ登記申請をした日が、一般社団法人の成立日です。

提出した書類に不備がなければ、2週間程度で登記が完了します。

2-6. 一般社団法人設立のメリット

一般社団法人設立のメリットをまとめました。

  •  誰でも登記によって設立できます
  •  社員2名から設立できます
  •  社員は法人でも可
  •  設立時に財産は必要なく、基金制度を採用できます
  •  出資金が不要(0円から設立できます)
  •  社員は一般社団法人の債務について責任は負いません
  •  法人格を持つ団体として信用がつきます
  •  同じ非営利団体のNPO法人に比べて、制約が少ない
  •  設立時に官庁の許認可が不要
  •  設立後も、監督官庁の許認可が不要
  •  事業に制限はありません
  •  収益事業を主な目的とすることができます
  •  公益認定等委員会の認定を受ければ、公益社団法人への移行が可能
  •  法人名義で銀行口座を開設できます
  •  不動産の直接の登記名義人になることができます

2-7. 一般社団法人設立の人数

一般社団法人の設立には、設立時社員が2名以上必要です。最低人数が2名ですので、2名以上でも構いません。

設立時社員のことを、別の呼び方で「発起人」とも言います。法人が社員に就任することもできます。

そうすれば、自分と自分の法人、つまり一人でも設立することが可能です。

参考記事

一般社団法人の設立の流れはこちらの記事でも詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。

>『一般社団法人設立の流れと11のチェックポイント

>『一般社団法人設立の手続き【9の特徴と13の流れ】

3. 一般社団法人の定款を作成し、登記をする

一般社団法人を設立するにあたって一番の山場は、「定款」を作成する作業です。

定款では、誰がどのような目的で法人を設立するのかを表現します。その定款の作り方を詳しく解説します。

3-1. 一般社団法人設立の要件

一般社団法人は株式会社と同じような活動ができると紹介しましたが、設立の要件などは多少の違いがあります。大事なポイントを確認していきましょう。

「一般社団法人」という名称

一般社団法人を設立するには、「一般社団法人」という名称を前か後ろのどちらかにつけなければなりません。ただし、ほとんどのケースは前になります。

例)「一般社団法人○○協会」

社員の人数

一般社団法人を設立するには、2人以上の設立時社員(発起人)が必要になります。法人も社員に就任できます。

一般社団法人の設立の際に2人以上の社員がいれば、設立後に何らかの理由で社員が1名に減ったとしても、解散にはなりません。

ただし、社員が0名となった場合には、解散になりますので、お気をつけください。

ちなみに、社員は一人一票の原則です。年に一度開催される社員総会では、人数による多数決になります。

社員は株式会社の株主に相当する立場です。株主は出資額に応じて権限がありますが、一般社団法人の社員は出資額に関係なく、一人一票の権限を持てます。

定款の認証

一般社団法人の定款の認証は、公証人役場で行います。

定款を3部作成し、定款認証を行います。認証の費用には5万円かかります。定款には電子定款認証がありますが、一般社団法人の定款認証には収入印紙代の4万円は不要です。

定款の認証には数日かかります。認証後に法務局へ赴き、登記手続きを行います。法定費用として、6万円かかります。収入印紙を購入して支払います。

定款を法務局に提出した日が、一般社団法人の設立日になります。実際には、そこから2週間前後で正式に手続きが完了します。

定款以外の書類

法務局に登記に赴く際に必要な定款以外の書類は、以下の通りです。
 
  •  一般社団法人設立登記申請書
  •  代表理事就任承諾書
  •  理事就任承諾書
  •  登記すべき事項
  •  設立時理事の選任及び主たる事務所所在場所の決定に関する決議書

理事会の設置

一般社団法人を設立する際、定款の作成に2通りの方法があります。

理事会を設置する方法と理事会を設置しない方法になります。どちらかを選択します。

理事会を設置しない一般社団法人

社員2名以上で、社員総会を行います。理事を1名以上決定します。

社員には、理事の任免権があります。

理事会を設置する一般社団法人

社員2名以上で、社員総会を行います。

理事を3名以上決定します。そのうち1人が代表理事に就任します。
監事を1名以上決定します。(理事との兼任はできません)

社員には、理事の任免権があります。

理事会を行います。(報告義務があります)

一般社団法人の登記について

一般社団法人設立までにお時間のある方は、是非いろいろご自身で調べながら、定款などの書類を作成されることをおすすめします。

そうすることによって、法律上の理解が深まり、正しい法人の設立・運営ができるようになるだけでなく、これから設立する一般社団法人への思いや愛着も高まります。

そして、押さえられた費用を運転資金に回わせば、初期の活動がスムーズに運べるかと思います。上記の項目を読み深めていただければ、どなたでも設立が可能です。

>『一般社団法人の登記事項と登記の流れ

>『一般社団法人の定款の作り方と記載事項まとめ

4. 一般社団法人の設立に必要な費用は?

一般社団法人の設立には、費用がかかります。

4-1. 一般社団法人の設立にかかる法定費用

一般社団法人の設立には、以下の費用がかかります。

公証人役場で定款の認証にかかる費用が5万円
法務局に申請する際に、法定費用が6万円。収入印紙で支払います。

その他、一般社団法人の実印を作成したり、社員や理事に就任する人の印鑑証明、登記完成後に、登記簿謄本や法人の印鑑証明などを釣るのに1万円程度。

どんなに少なく見積もっても、全部で12万円程度はかかります。

余談ですが、株式会社と比べて、一般社団法人の設立費用は安くすみます。株式会社では、最低でも21万円はかかります。

4-2. 一般社団法人の設立にかかる法定費用以外の費用

士業の手数料

一般社団法人の設立を扱う専門の業者に依頼すれば、その分多くの費用がかかります。一般社団法人の設立を扱う専門の業者とは、司法書士や行政書士、あるいはコンサルタントに当たる人たちです。

例えば、定款の作成を行政書士の先生に依頼すると、数万円から十数万円で作成したいただけます。

開業資金として

上記は、登記に関する費用を紹介しましたが、それ以外にもかかる費用はあります。開業資金と呼ばれるものです。行うサービスによって区々ですが、概ね以下のようなものが初期にかかる費用になります。

  •  スタッフの人件費
  •  事務所の家賃
  •  ウェブサイト
  •  教材や試験問題
  •  パンフレット、名刺など

黒字になるまでの間の累積赤字の予想金額はいくらかかるのか?
すぐに利益はあるのか?しばらくは赤字が予想されるのか?

これらの要素がクリアになれば、必要な初期費用をおおよそ算出できます。

5. 一般社団法人の社員について

一般社団法人の社員には、どういった役割があるのでしょうか?

「社員」と言っても、株式会社の社員と一般社団法人の社員はまったく性質が異なります。一般社団法人の社員は、株式会社の「株主」に相当します。

一般社団法人の社員には、大事な義務や責任があります。ここでは、社員について、詳しく解説していきます。

5-1. 一般社団法人の社員の人数

一般社団法人の設立においては、社員は2名以上必要となります。

法人でも社員に就任できます。自分と自分の会社で実質1人ということも可能です。

5-2. 一般社団法人の社員と理事は違う

一般社団法人の社員は、株式会社の「株主」に相当します。

一般社団法人でいう社員とは、株式会社の従業員とは違います。

5-3. 一般社団法人の社員の役割

一般社団法人の社員とは、社員総会において議案を提出したり、その議決に参加したり、議決権を行使する立場の人のことになります。

社員総会は、一般社団法人の重要事項を決定する最も重要な会議です。そこで議決権を持つ社員という立場は、一般社団法人のオーナーということです。

例えば、一般社団法人の定款を変更することができます。社員の退会を求めたりもできます。理事の任免権もあります。

5-4. 一般社団法人の社員の報酬

一般社団法人の社員に利益配分はありません。株主に似たオーナー的な権限がある一方で、利益の配当は得られない立場になります。

これは、非営利の考え方によるものですが、法人の活動によって得た利益分に関しては、以降の活動を活発にして、社会を良くするための活動に活用しましょう、という考え方があるからです。

関連記事:『一般社団法人における社員の立場と役割まとめ

6. 一般社団法人の理事について

一般社団法人の理事には、どういった役割があるのでしょうか?

「理事」という役職は、株式会社ではあまり耳にしないかもしれません。理事は「役員」のことです。株式会社の「取締役」に相当します。一般社団法人の理事には、大事な義務や責任があります。

ここでは、理事について、詳しく解説していきます。

6-1. 一般社団法人の理事の人数

一般社団法人の設立においては、理事は1名以上必要となります。

法人では理事に就任できません。

6-2. 一般社団法人の理事は社員と兼任できる

一般社団法人の理事は1名以上必要と言いましたが、社員が理事を兼任しても構いません。

つまり、自分と自分の会社で社員2人になって、自分を理事に任命すれば、実質1人で一般社団法人を設立ということも可能です。

一般社団法人の「理事」は、株式会社の「取締役」に相当します。

一般社団法人でいう理事とは、役員のことです。法人の運営部隊ということです。

6-3. 一般社団法人の理事の任期

理事の任期には制約はありませんが、定款の定めがある場合には、それに従います。

しかし、一般的には、2年の任期にしているケースが多く見受けられます。

6-4. 一般社団法人の理事の辞任

理事会や社員総会において、任期中に理事を解任することもあります。その場合には、任期中においても解任が認められます。

また、なんらかの事情で、任期中に辞意を申し出れば、辞任することもできます。

6-5. 一般社団法人の理事の給料

理事の報酬や給料は、絶対的に支払わなければならないものではありません。

しばしば一般社団法人で協会を立ち上げた場合に、まだ収益が見込めないうちには、無償で働くことがよくあります。いずれ収益が出た時点で報酬を発生させる、といった具合で運営されています。

6-6. 一般社団法人の理事の役割

定款に理事会設置を記載した場合には、それに基づいて定期的に理事会を行います。理事会は一般社団法人の実務内容を決定する会議になります。

たとえ、理事会を設置しないタイプの一般社団法人を設立した際にも、定期的に理事会を行うことをおすすめします。

関連記事:『一般社団法人の理事に関する9の項目と3の関連事項

7. 一般社団法人の資本金とは

一般社団法人のお金について確認していきましょう。

7-1. 一般社団法人の資本金とは?

よくあるお金の質問に、「一般社団法人の資本金はいくら必要ですか?」と聞かれますが、「0円」から設立が可能です。つまり、資本金はなくても設立は可能です。

7-2. 一般社団法人の設立費は繰延資産になる

一般社団法人には資本金がないとはいえ、法人の活動には資金が必要になります。やがて資金を調達しなければなりません。実際、登記申請には12万円程度はかかります。

ここで言う「0円から設立が可能」と言う意味は、定款を作成し登記をする際に、一般社団法人には資本金の記載事項がありませんので、この時点で資本金がなくても設立が可能という意味です。

株式会社の定款には、資本金額を記載しなければなりません。ただし、1円以上で構いません。

では、こういった設立資金はどうするかというと、繰延資産として計上できます。

一般社団法人設立前に支出した金額は、法人の設立日に仕訳を行います。

7-3. 一般社団法人の資本金は、基金と言う

実は、一般社団法人では、株式会社で使う「資本金」という言葉は存在しません。

一般社団法人では、「基金」「拠出金」という言葉を使います。

言葉が違うということは、意味や性格が異なります。

一般社団法人の基金とは、社員や社員以外の人から、法人の財産を拠出してもらう法人のお金のことです。

ただし、これは株式会社の出資とは性質が異なります。基金は定款に定めた要件で、返還の義務があります。したがって、これは完全に法人の財産となるわけではありません。

関連記事:『一般社団法人の資本金に関する5つのポイント

8. 一般社団法人の税金とは

一般社団法人にかかる税金について見ていきましょう。

8-1. 一般社団法人の法人税

一般社団法人にかかる税金は、株式会社と同じ法人税率になります。

ただし、一般社団法人の中でも、非営利型一般社団法人と判断されると、収益事業以外の収益に関しては、公益社団法人と同じ非課税となります。具体的には、受講料や会費などは非課税になります。

一般社団法人の税金

収益事業から生じた所得に対する法人税率は、30%

所得金額が年800万円以下の金額は、18%

公益社団法人の税金

収益事業から生じた所得に対して課税、公益目的事業は、非課税。

収益事業から生じた所得に対する法人税率は、30%

所得金額が年800万円以下の金額は、18%

8-2. 一般社団法人の法人住民税

一般社団法人にかかる法人住民税は、株式会社と同じ均等割になります。

そして、これは個人事業主との違いになりますが、仮に収益が見込めなくとも、年間7万円の法人住民税はかかります。

関連記事:『一般社団法人の税金に関する6つのポイントまとめ

9. 一般社団法人の非営利型について

一般社団法人には、「普通型」「非営利型」の2つのタイプがあります。

その違いは、活動の制限と税制の優遇措置になります。非営利型の一般社団法人は、利益を求めることを目的としない活動を主として行う団体に適用されます。

9-1. 一般社団法人の普通型と非営利型の税制

一般社団法人の税制上の分類は、以下の通りです。

普通型一般社団法人の税制

普通型一般社団法人とは、全所得が課税対象となる一般社団法人のことを指します。多くはこちらのタイプの法人になります。

普通型一般社団法人は、法人税法上は、株式会社や合同会社と同等に取り扱われます。

非営利型一般社団法人の税制

非営利型一般社団法人は、収益事業により生じた所得のみ課税対象となります。

収益事業の所得のみ法人税が課税されるという意味は、会費や寄付金には課税されない、ということになります。

非営利型一般社団法人は、法人税法上は、「公益社団法人」として取り扱われます。

10. 知っておきたい一般社団法人の略称

一般社団法人について、より理解を深めてもらうために、その他の「知っておきたい知識」をまとめました。

10-1. 一般社団法人の略称

一般社団法人は、「(株)」のようにどうやって省略表記をするのでしょうか?

一般社団法人の略は、「(一社)」と書きます。

10-2. 一般社団法人の呼称

一般社団法人の呼び名は、「御社」でよいのか?
一般社団法人の呼称は、一般社団法人の称号(名称)によって違います。

協会ならば「貴協会」、研究所ならば「貴所」、委員会ならば「貴委員会」、公社ならば「貴社」、センターならば「貴センター」となります。

関連記事:『一般社団法人の略と表記方法

11. 知っておきたい一般社団法人の英語表記

一般社団法人は、英語ではどのように言うのか?

一般社団法人の英語表記は、general incorporated association (foundation)になります。

11-1. 一般社団法人の理事の英語表記

一般社団法人の理事の英語表記は、directorです。

一般社団法人の代表理事(理事長)の英語表記は、presidentです。

12. まとめ

平成20年12月1日に、公益法人制度改革が行われました。112年続いてきた法律の改正でした。その結果、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が新たに制定され、一般社団法人は誰でも登記だけで作れるようになりました。

一般社団法人は株式会社とは違って、利益が出ても社員や拠出者への配当は禁止されています。利益分配ができません。

理事やスタッフに対して、報酬や給与を支払うことは、事業の運営に必要な管理費として認められています。これは利益配当には該当しません。

一般社団法人設立の流れを簡単にまとめますと、まずは、2人以上の社員を集め、設立のの準備に入ります。その後、法人名を考え、商号を調査します。同じ商号がなければ、一般社団法人の印鑑(実印)を作成します。(同じ商号が存在しても法人を設立することは可能ですが、株式会社と違って、一般社団法人の場合には同じ名前は避けたほうが良いでしょう。)

そして、定款作成し、認証を受け、法務局にて登記申請をします。これが、一般社団法人成立の手順になります。

上記の流れに従って、手続を進めてください。一般社団法人設立にかかる費用は、最低12万円からになります。

最後に、一般社団法人を設立して一番効果が出るポイントは、実は、屋号(任意団体)で活動しているときよりも、法人化することで責任が増し、自分自身に確固たる「覚悟」が生まれることかもしれません。

覚悟が決まることで、考え方や意識が変わり、そして行動が変わります。すると、周りの反応が変わり、大きく拡がります。

社会に貢献できる一般社団法人を設立して、社会起業家として大いに活躍してください。

あなたの行動を心から応援いたします。

協会総研
吉村司 吉岡岳彦

 

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ABOUTこの記事をかいた人

吉岡岳彦

『協会のはじめて』では、一般社団法人の知識から協会の運営方法まで、結果を出してきたノウハウや勘所を包み隠さずに提供しています。