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個人事業主の18の経費項目と2つの注意点

個人事業主の経費

経費と一言で言っても、仕入や人件費、家賃、外注費、旅費交通費、接待費、雑費など、その内容は多岐にわたります。

経費とは、売上を上げるために直接必要だった費用になります。

事業を行うために必要だった費用は、経費として計上することができます。つまり、「節税」ができます。

ここでは、個人事業主が経費として計上できる項目を確認していきましょう。

1. 経費とは?

売上を上げるために直接かかった費用が、経費になります。

事業を行うために直接使った費用が、経費になります。

物を販売するために仕入れた商品は、経費になります。

人を雇っていれば、その給料も経費になります。

事務所を借りていれば、その家賃も経費になります。

事業に関連するお客様との会食も、経費になります。

ボールペンやノートなどの事務用消耗品も、経費になります。

売上原価や広告宣伝費、雑損失など、すべて経費となります。

経費の基本ルールを覚えて、間違いのない処理を行いましょう。

2. 経費項目

経費項目は以下のとおりです。

2-1. 仕入

「仕入」は、1年間で支払った金額です。ただし、仕入れた金額がそのまま全額経費にならない場合があります。

経費になるものは、売上に対応する売上原価です。売上原価とは、今年売れた売上に対応する仕入原価の金額です。

2-2. 給料賃金・外注工賃

「給料賃金」と「外注工賃」についてですが、重要なのは給料賃金と外注工賃の振り分けです。もっと平たく言えば、「スタッフ」と「業者」の違いです。

なぜこの区別が重要かと言うと、どちらになるかで税務上の処理が異なるからです。

外注工賃になると、消費税を8%乗せて支払っていると考えます。ところが、給料賃金は、消費税がかからない経費です。

この違いは納める消費税に表れます。

納める消費税は、売上に係ってくる預かっている消費税から、経費に係ってくる支払った消費税を引いた金額になります。

つまり、給料賃金ではなく、外注工賃になると、納める消費税が減るのです。

2-2-1. 外注工賃の条件

消費税分が減税になるからといって、人への支払いをすべて外注工賃にすることはできません。外注工賃に条件があります。

・指揮命令系統が会社にはない

品質や納期さえ守れば、どのような方法で仕事を進めてもよいのが外注です。

・請求書がある

外注は社外の人なので、当然請求書のやり取りがあるはずです。

・会社で備品等を支給しない

つまり、会社にデスクがあったり、パソコンが与えられたりするのは社員であって、外注ではありません。

・タイムカードがない

時間で縛るには社員。外注はあくまで業務そのものを依頼します。

請求書にも「時給」等の記載があってはいけません。

・通勤手当がない

職場で仕事をするのは社員。外注は通勤をする必要がありません。

このような要件を満たしていないと、外注工賃にはできませんので、ご注意ください。

2-3. 減価償却費

「減価償却費」とは、時間の経過や使用により、価値が減少する固定資産の取得費用をその耐用年数に応じて費用として計上していくことです。

減価償却に関しては、非常に複雑です。減価償却費の計上には慎重な判断が必要になります。税理士の先生や税務署に確認してから処理するようにしてください。ここでは、簡単に減価償却の解説をするに留めておきます。

2-4. 貸倒損失

「貸倒損失」とは、売掛金や貸付金、前渡金などが貸し倒れたときに計上する費用です。

いわゆる「焦げ付き」が発生した場合の経費です。

ただし、税法で貸倒れと認められるためには、一定の条件を満たさなければいけません。

いくつか条件がありますが、実務的な判断基準としては、以下の通りです。

  • 会社更生法の規定で更生計画認可の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 民事再生法の規定で更生計画認可の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 債権者集会の協議の決定があり債権が切り捨てられた場合
  • 債務免除を書面で通知した場合

などです。従って、しばらくの間入金がないからと言って、貸倒損失に計上することはできないのです。

なお、貸倒損失の計上には慎重な判断が必要になります。税理士の先生や税務署に確認してから処理するようにしてください。

2-5. 地代家賃

地代家賃というのは、月極め駐車場代金や店舗家賃、事務所家賃などのことを指します。

事務所兼自宅として賃貸マンションなどを使っている場合、一部を地代家賃として計上できます。この場合、床面積などの具体的な根拠に基づいて、按分をしてください。

2-6. 利子割引料

「利子割引料」とは、事業用借入金の利子や手形の割引料がこれに該当します。

2-7. 租税公課

「租税公課」とは、税金や印紙代などのことです。

経費になる税金は、以下のようなものです。

  • 事業税
  • 固定資産税(事業用部分とプライベート部分の面積按分が必要)
  • 自動車税(事業用部分とプライベート部分の面積按分が必要)
  • 税込経理のときの消費税
  • 印紙税

などが該当します。

逆に、経費にならない租税公課としては次のようなものがあります。

  • 所得税
  • 住民税

2-8. 荷造運賃

「荷造運賃」とは、商品などのことです。

2-9. 水道光熱費

「水道光熱費」とは、水道代や電気代、ガス代、灯油代などの費用のことです。

水道光熱費も地代家賃の場合と同じく、事務所兼自宅の物件の取り扱いになります。基本的には、地代家賃と同じ基準で按分することが望ましいです。

ただし、明らかに水道やガスを事業として使用しない場合には、水道代やガス代そのものを経費に入れることができませんので、ご注意ください。

2-10. 旅費交通費

「旅費交通費」とは、電車代や新幹線代、タクシー代などの移動関係の経費です。

また、ホテル代などの宿泊費も含まれます。

2-10-1. 交通費の領収書について

旅費交通費のうち電車代、バス代などは「領収書」がありません。

経費は基本的に領収書が必要なのですが、領収書がもらえない旅費交通費は、例外として領収書なしでも経費にできます。

とはいえ、いつどのような目的の交通費だったのかについては、出金伝票などに記録しておくことが望ましいです。

2-11. 通信費

「通信費」とは、電話代や切手代、郵送代、電報代などのことです。

また、インタネットサービスのプロバイダー代金やメール配信スタンドの代金なども通信費に該当します。

通信費も事業用とプライベート用の按分が重要になりますので、ご注意ください。

2-12. 広告宣伝費

「広告宣伝費」とは、求人広告を雑誌に出したり、インターネットのPPC広告代などの費用です。

広告宣伝費の注意点は、掲載された日を経費が落ちる日にするということです。

2-13. 交際費

「接待交際費」とは、接待のための飲食代や得意先の慶弔禍福に伴うお祝いや香典、お中元やお歳暮などの費用のことです。

接待交際費に関しては、費用が2万円以上の際にこれに計上し、その以下の場合には、雑費として計上して構いません。

2-14. 損害保険料

「損害保険料」とは、建物などの火災保険や社用車の自動車保険、商品の損害保険などになります。

注意すべきポイントは、事業用兼自宅用の物件にかかる火災保険の取り扱いです。事業用とプライベートが混在してしまう経費については按分が必要です。

2-15. 修繕費

「修繕費」は、建物の修理などの費用です。この経費の注意点は、原状回復に必要なものか否かです。

例えば、汚れた壁紙を元通りキレイにする支払いは、修繕費になります。

しかし、壁紙をタイルに張り替えたりするのは、修繕費ではなく、建物付属設備という「資産」になり、「減価償却」の対象にな李ます。

この現状回復か資産価値の増加かは、税務上判断が難しい点になります。

2-16. 消耗品費

 「消耗品費」とは、文具代やコピー用紙、トイレットペーパーなどの、いわゆる「消耗品」が、これに該当します。

消耗品費の注意点は、「10万円、または30万円を越える資産が入っていないかです。

・白色申告の場合

10万円未満のものは「消耗品費」として経費になります。

10万円以上のものは、減価償却の対象になります。

・青色申告の場合

30万円未満のものは、「消耗品費」として経費になります。

ただし、10万円以上のものは、年度合計で300万円まで消耗品として経費になります。

30万円以上のものは、減価償却の対象になります。

2-17. 福利厚生費

「福利厚生費」とは、従業員への福利厚生のための費用のことです。

社員全員が使えるスポーツジムや歓送迎会などが、これに該当します。

2-18. 雑費

「雑費」とは、今までの区分に該当しなかったその他の諸経費です。銀行での振込手数料やゴミの回収費用なども該当します。

年間を通じて、あまり金額が大きくなるようであれば、雑費ではなく、独自で「科目」を作成し、管理しましょう。

3. 経費にできない費用

以下のものは、経費として計上できません。ご注意ください。

  • 生命保険の保険料
  • 所得税の納付額
  • 住民税の納付額
  • 源泉所得税の納付額
  • 国民健康保険料
  • 国民年金
  • 病院代

4.  白色申告でも領収書がないと経費計上できない

白色申告に関して、一つ注意があります。

白色申告の人が、「私は白色申告なので、領収書がなくても経費を計上できますよね?」と質問されることがあります。しかし、これは完全な間違いです。

白色申告の人は、帳簿を作ったり、領収書を提出する必要はありませんが、領収書がないと経費にはできません。

白色申告であろうと青色申告であろうと、日本では領収書があるものだけしか経費として認められません。

従って、普段から領収書はしっかりもらって、なくさずに保存する習慣をつけることが大切です。

5. まとめ

経費項目の事を、簿記では「勘定科目」と言います。

どの勘定項目を使えばいいのか困った場合には、自分の判断で勘定科目を決めてしまって構いません。あるいは、新たに作っても構いません。

大切なのは、それが事業に必要な支払であるかどうかです。勘定科目が多少違っていても、大きな問題ではありません。

正しく申告した経費は、しっかり認められます。それは事業に関わる際に必要になった費用ですので、心配せずに自信を持って申告しましょう。

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