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一般社団法人の理事に関する9の項目と3の関連事項

一般社団法人の理事について

一般社団法人の理事は、社員総会で社員によって選ばれた法人の運営を任された人で、株式会社の取締役にあたる人で、つまり役員になります。
代表理事(理事長)は、概ね理事の中から選び、法人の代表者として定めます。理事会を設置すれば、理事は理事会の構成員となります。

ちなみに、理事長とよく言いますが、法律的な役職としては、代表理事になります。これは株式会社の代表取締役のことを社長と呼ぶのと同じようなものです。

理事と役員が似ているとはいえ、一般社団法人と株式会社の運営は、ルールや慣習も大きく異なります。
権限、義務、責任、任期、人数、報酬・・・など、理事に関して確認しておくべき項目はたくさんあります。

ここでは、一般社団法人の理事に関する項目と関連事項について詳しく触れていきます。一般社団法人の理事の役割についてしっかり理解しておきましょう。

1 一般社団法人の理事とは

理事とは、法人の業務を執行する人のことです。株式会社の取締役に似た立場と考えると、理解が深まると思います。

1-1 理事の権限

一般社団法人の理事の権限には、業務執行権限と代表権限の2つがあります。理事の権限の範囲は、その一般社団法人が理事会を設置しているか、していないかによって大きく変わります。

1-1-1 業務執行権限について

  • 理事会を設置していない場合(理事会非設置型一般社団法人)

理事会を設置していない一般社団法人の理事は、般社団法人の業務執行権限を有します。
原則として理事が2人以上いる場合は、理事の過半数をもって業務執行を決定します。

  • 理事会を設置している場合(理事会設置型一般社団法人)

理事会を設置している一般社団法人の業務執行権限は、まず業務執行の意思決定と、その業務遂行に分けることができます。業務の意思決定は、理事会にその業務遂行は代表理事、業務執行理事がそれぞれ担当します。

業務の意思決定 → 理事会
業務執行 → 代表理事、業務執行理事

この場合、各理事は代表理事、業務執行理事に選定されない限り、理事会のメンバーを構成するにとどまります。それぞれが業務執行権限を有しません。つまり、法人業務の意思決定を行うメンバーの一員であるだけになります。

1-1-2 代表権限について

  • 理事会を設置していない場合(理事会非設置型一般社団法人)

理事会を設置していない一般社団法人の代表権限は、各理事にあります。従って、理事会非設置型の一般社団法人の理事は、選定手続きをすることなく、表理事になります。
理事が2人以上いる場合は、業務執行権限とは異なり、理事は各自一般社団法人を代表します。

  • 理事会を設置している場合(理事会設置型一般社団法人)

理事会を設置している一般社団法人についての代表権限は、理事の中から代表理事と選定された者にあります。 選定されなかった理事は、代表権限がありません。
尚、理事全員を代表理事に選定することも可能です。しかしその場合には、理事会非設置の一般社団法人と同様になります。

1-2 理事の義務

一般社団法人の理事は、民法の委任の規定に従います。

また、理事はこのほかにも、法令や定款、社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のために職務を行う義務があります。

1-3 理事の責任

理事が任務を怠った場合には、一般社団法人に対して、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。

尚、理事の一般社団法人に対する任務懈怠責任については、以下の方法により免除、又は制限をすることができます。

  • 総社員の同意による免除
  • 社員総会の決議による一部免除
  • 定款の定めに基づく理事等による一部免除
  • 定款の定めに基づく契約による外部役員等の責任の制限

1-4 理事(代表理事)の選任と解任

理事の選任と解任について解説していきます。

1-4-1 理事の選任

理事は、社員総会の普通決議によって選任します。

1-4-2 代表理事の選定

  • 理事会を設置していない場合(理事会非設置型一般社団法人)

理事会非設置の一般社団法人については、他に代表理事、その他一般社団法人を代表する者を定めた場合を除いて、 各理事が代表理事になります。

尚、以下のいずれかの方法によって、理事の中から代表理事を選定することができます。

  • 定款
  • 定款の定めによる理事の互選
  • 社員総会の決議

 

  • 理事会を設置してる場合(理事会設置型一般社団法人)

理事会設置の一般社団法人については、理事会で理事会の中から代表理事を選定します。

1-4-3 理事の解任

理事はいつでも社員総会の決議によって、解任することができます。

任期が満了前であったとしても、法人の業務執行を担う人物として不適切であることが判明した場合には、理事を解任する必要があります。

理事の解任は、社員総会の決議が必要です。解任の決議は、解任される理事に告知することが困難な場合も多くあります。そのため、解任の効力は決議成立時点で効力が発生されます。

1-5 理事の任期

理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終の定時社員総会終結の時までになります。

尚、定款または社員総会の決議によって、任期は短縮することも可能です。

1-5-1 理事の任期の起算点

理事の任期の起算点は、社員総会での選任決議時です。登記では、被選任者が就任を承諾した日が記載されます。従って、選任日と就任承諾日が異なる場合は注意して任期の管理を行うことが大切です。

1-5-2 監事の任期

監事の任期は、基本4年です。選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終の定時社員総会のときまでです。また、理事の任期と同様に2年に短縮することができます。

1-5-3 会計監査人の任期

会計監査人の任期は1年です。選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終の定時社員総会のときまでです。
会計監査人は、任期満了時の定時社員総会で特段の決議がなければ再任され、任期が自動的に更新されます。

1-6 理事の設置と人数

理事は一般社団法人の業務や事業運営に当たる役員で、株式会社の取締役に相当する人のことをいいます。

  • 理事会を設置していない場合(理事会非設置型一般社団法人)

一般社団法人には、最低限、理事を1名以上置かなければなりません。

  • 理事会を設置してる場合(理事会設置型一般社団法人)

理事会を設置する一般社団法人の場合には、理事は最低3名以上必要となります。また、必ず監事も置かなければなりません。一般社団法人の監事は、株式会社の監査役に相当します。

  • 大規模な一般社団法人(貸借対照表で負債の部の合計額が200億円以上)の場合には、公認会計士または監査法人による会計監査人の設置も必要となります。

1-6-1 理事の人数の上限と下限

定款では、必要に応じて理事の人数の上限、下限などを定めることができます。
また、代表理事を置くか置かないか、理事会を設置するかしないか、代表理事を何人にするかなどについても、定款で定めることができます。

1-7 代表理事や役職理事の役職名

定款では、代表理事の役職名を理事長や会長などにすることもできます。
また、任意に副理事長や副会長、専務理事、常務理事などといった役職理事を設けることもできます。

尚、代表理事の役職名を変えても、公的な文書を作成し、明記する場合には、代表理事と表現しなければなりません。法律用語では、あくまでも代表理事となります。

代表理事の役職名を変更した場合には、定款上の表現を統一しなければならない点にもご注意下さい。

1-8 理事の選任方法

理事の選任は、原則として社員総会の通常決議で行うことになります。従って、定款に社員総会の決議について定めている場合にはその方法で、定めていない場合には過半数出席、過半数賛成で選任することになります。

また、理事はその法人とは関わりのない人の中からでも選任できます。

定款では、必要に応じて、理事の選任方法として通常決議とは異なる議決方法を定めたり、理事になることのできる条件を定めたりすることができます。併せて、代表理事や役職理事の選任方法も記載できます。

1-9 理事の任期満了、解任以外に辞めなければならない場合

委任の終了、辞任について解説していきます。

1-9-1 委任の終了

理事と一般社団法人の関係は、委任関係になります。そのため民法の委任の終了事由が発生した場合には、理事は退任します。

具体的には、理事の死亡、破産手続き開始の決定、後見開始の審判です。

1-9-2 辞任

理事は、自分の意思で辞めることができます。辞任の方式に特に制限はありません。辞任者が一般社団法人に対して意思表示をすれば認められます。

辞任の効力は、一般社団法人に辞任の意思表示が到達したときに生じます。

意思表示は口頭でも有効です。しかし、登記の手続き上は辞任届という書面が要求されますので、書面で辞任の意思表示をするのが一般的です。

2 理事にはどのような人がなれるのか?(関連事項1)

役員は基本的に誰でもなることができます。

ただし、下記に該当する場合には、役員になることができません。

  • 成年後見人、もしくは被保佐人
  • 一般社団法人法や会社法などに違反し、刑の執行を終えた日から2年を経過しない人
  • 法令に違反し、禁固以上の刑に処せられ、その執行を終えていない人

2-1 監事は理事になれない

一般社団法人、またはその子法人の理事は兼ねることができません。

3 理事の報酬について(関連事項2)

一般社団法人の報酬とは、報酬や賞与、その他の職務執行の対価として法人から受ける財産上の利益のことを指します。

3-1 理事の報酬

理事の報酬は、定款、もしくは社員総会の決議によって定めます。

定款または社員総会の決議においては、理事が1名の場合も複数名の場合も、理事全員に対する総額(上限)を定めれば認められます。

尚、理事が複数の場合の具体的な配分は、理事会の決議や特定の理事の決定に一任することも可能です。一般的には、定款に直接記載する方法は取らず、社員総会の決議で定めることが多いようです。

3-2 監事の報酬

監事の報酬についても、定款または社員総会の決議によって定めます。

ただし、監事は監査機関として独立性を保つ必要があるため、理事の報酬として一括で決議することは認められていません。理事とは別に決議する必要があります。

理事との相違点として、各監事は社員総会において報酬などについての意見を述べることができます。

尚、監事が複数いる場合の具体的な配分については、定款や社員総会の決議がないときには、監事の協議によって定めることになります。

3-3 会計監査人の報酬

会計監査人の報酬については、理事や監事とは異なり、定款もしくは社員総会の決議による必要がありません。

ただし、会計監査人の独立性を保つためにも、会計監査人の報酬を定める場合には、監事の同意を得ておかなければなりません。

4 理事と社員について(関連事項3)

一般社団法人の「理事」は、株式会社の取締役と似た存在です。取締役は株式会社の業務を執行し、運営します。

一般社団法人の「社員」は株式会社の株主と似た存在です。

株主は株主総会で議決権を行使して、役員の選任や決算の承認などを行います。それとほぼ同様な役割を果たします。

4-1 一般社団法人の社員

一般社団法人でいう社員は、会社員でいう従業員のことではありません。

社員とは、一般社団法人における構成員のことです。総会での議決権を有し、法人の運営に参加する人のことを指します。法人運営に参加すると言っても、実際にそれを行うのは理事などの役員になります。

社員は法人の重要事項、例えば、決算の承認や役員の選任解任、定款変更などを総会を通じて決める役割を有します。

4-2 社員は最低2名必要

一般社団法人では、設立時に2名以上の社員が必要です。この2名以上という要件は、設立時のものです。設立後に社員が1名だけになったとしても、その一般社団法人は解散しません。 

ただし、社員が1名もいなくなったときは、一般社団法人は解散することになります。

4-3 社員が役員を兼任

役員が社員を兼ねることも可能です。未成年者や外国人であっても、社員になることができます。また、法人も社員になることができます。

尚、一般社団法人は社員総会を必ず設置しなければなりません。

理事の全員が社員である場合であっても、理事会は理事会として、社員総会は社員総会として別々に開催する必要があります。理事会の権限に属する事項は、理事会で決議できますが、社員総会の権限に属する事項は、社員総会で決議しなければなりません。

社員兼理事が、運営業務を行った対価については、受け取ることができます。その際には、定款に規定してもしなくても構いません。定款に規定しなかった場合には、社員総会で報酬額を定めることになります。

5 まとめ

一般社団法人の理事は、社員によって選ばれたその法人運営を任された人になります。

株式会社の株主が「社員」ならば、取締役に当たるのが一般社団法人の「理事」になります。従って、株式会社では取締役の代表が代表取締役(社長)となるように、一般社団法人では理事の代表が「代表理事(理事長)」になります。

株式会社の運営を任される取締役に権限や任命権、あるいは多岐にわたる業務があるように、一般社団法人の理事も役員に当たる立場になりますので、同様の権限や業務があります。

とはいえ、一般社団法人の運営は株式会社の運営とは違ったルールや慣習がありますので、十分配慮の上、運営いただくことをお勧めします。

協会総研
吉村司 吉岡岳彦

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