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一般社団法人の資本金に関する5つのポイント

一般社団法人の資本金に関する5つのポイント

会社を設立する際に資本金のことを考えると思いますが、同様に一般社団法人を設立する際も資本金のことが気になるのではないでしょうか?

一般社団法人では資本金を「基金」と呼びますが、基金制度を採用する際の手続きや、基金の募集事項、基金の返還についてなど、知っておきたい項目は様々です。

1つ1つ解説していくので設立時の参考にしていただきたいと思います。

1. 株式会社の資本金と一般社団法人の基金の違い

一般社団法人の資本金は「基金」と呼ばれますが、株式会社の資本金と似ています。基金は一般社団法人に認められた財政活動基盤となる「拠出金」のことです。

一般社団法人では、その構成員である社員が拠出をしなくても、設立ができます。

とはいえ、法人を運営していくためには、一定の資金がなければ困難です。このため一般社団法人には「基金」という利用可能な制度が存在します。

ここでは株式会社の資本金と比較しながら、基金について解説します。

1-1. 設立時の出資の有無

一般社団法人は、設立時に基金を必ず出資しなければならないというわけではありません。資金は0円でも設立することは可能です。

株式会社の資本金は、設立発起人は必ず出資しなければなりませんが、資本金は1円から設立が可能なので、設立時の拠出の有無は、ほとんど差がありません。

1-2. 出資と社員の区別

一般社団法人では、基金を出資する者と構成員である社員の地位は別ものと扱われます。基金を拠出したからといって、一般社団法人の社員になるわけではありません。

株式会社の資本金を出資した者は、その会社の株主となるため、出資と株主は結びついています。

1-3. 返還の有無

一般社団法人の基金は、解散時には拠出者に返還する義務があります。その条件などは、定款に定めることができます。

株式会社の資本金は、出資者に返還する必要がありません。

2. 一般社団法人の基金制度

一般社団法人は、設立に際して財産の拠出を必要としていませんが、活動の原資になる資金調達の手段として、「基金制度」が設けられています。

2-1. 基金とは

基金とは、社員や社員以外の人から、法人の責任財産となる財産の拠出を受け、法人の基礎財産になるものです。

ただし、「出資」とは異なり、基金は一定の要件や合意のもとに、返還義務を負います。これは完全に法人の財産となるわけではありません。法人の解散時には、基金は拠出者に返還されます。

一般社団法人設立には、基金の拠出はしなくても構いません。株式会社の資本金などとは異なり、基金は必ずしも設けなくても構いません。

2-1-1. 基金の設置は任意

基金の設置は、あくまでも当該一般社団法人の任意です。任意だからと言って、いきなり基金の募集はできません。

募集の前段階として、定款に、基金に関する条項を新たに定めなければなりません。社員総会の特別決議が必要になります。もちろん、設立時に既に定款に基金に関する規定を設けている場合は、この限りではありません。

なお、基金制度を一度でも採用した場合、それを廃止することはできませんので、注意が必要です。

3. 基金制度を採用する場合の手続き

基金制度を採用する場合には、基金の拠出者に関する規定や基金の返還手続きの方法などを定款に定めておかなければなりません。

基金の額については、制限はありません。また、不動産や動産等、金銭以外のものも基金とすることができます。

なお、現物出資財産を拠出の目的とした場合は、原則として、その価額調査のために裁判所に対して検査役の選任申し立てが必要となります。

ただし、現物出資財産が次にあげる場合には、検査役による調査は不要です。

  • 価額の総額が500万円を超えない場合
  • 市場価格のある有価証券で市場価格を超えない場合
  • 価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、 税理士又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び 不動産鑑定士の鑑定評価)の証明を受けた場合
  • 一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る)であってその簿価を超えない場合

4. 基金の募集方法とその拠出の方法

基金を募集する場合、その都度、募集に係る基金の総額など募集事項を定め、募集に応じて基金の拠出を行おうとするものに対し、募集事項を通知しなけれなばなりません。 (※ 募集事項を定めるには、社員全員の同意が必要になります。)

基金の拠出をする人は、募集事項などに記載されている期日内に、自分が拠出する基金を払い込みます。

4-1. 基金の募集事項(一般社団法人法第132条)

  • 募集に係る基金の総額
  • 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容、価格
  • 基金の拠出に係る金銭の払い込み期日、または期間

4-2. 基金募集手続きの大まかな流れ、フロー

  1. 定款へ基金の規定の設置(定款に基金の定めがない場合)
  2. 募集事項の決定(募集に係る基金の総額や払込み又は給付の期日又はその期間等)
  3. 基金の引受申し込みをしようとする者への募集事項その他の基本事項の通知
  4. 基金引受人による基金の申し込み
  5. 基金の引受人による基金の払込または給付

5. 基金の返還について

事業年度に係る貸借対象表上の純資産の額が基金等合計額を超える場合、その事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの期間に限り、その超過額を返還の限度額として、基金の返還をすることが可能です。基金の返還に係る債権には利息を付けることはできません。

尚、基金を返還するには定時社員総会の決議が必要となります。

6. まとめ

一般社団法人の基金は、株式会社の資本金のことです。財政活動の基盤となるものです。基金のことを拠出金とも言います。株式会社の出資金のことです。

一般社団法人では、株式会社の株主に当たる社員が拠出をしなくても設立が可能です。

とはいえ、一般社団法人を運営していくためには、一定の資金が必要になります。このため、一般社団法人には基金という利用可能な制度が存在します。

協会総研
吉村司 吉岡岳彦

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