一般社団法人の定款の作り方と雛形

一般社団法人の定款の作り方

株式会社や合同会社など、会社を設立する際には「定款」を作成しなければならないように、一般社団法人を設立する際にも定款を作成する必要があります。

定款とは、法人の憲法にあたるものです。

ここでは、定款のイメージができるように、一般社団法人の定款の雛形を紹介します。そして、誰が定款を作成するのか?絶対に記載しなければならない項目は何か?など、一般社団法人の定款作成の作り方や流れもまとめました。

定款の作成は、主に行政書士や司法書士に依頼するケースが多いですが、ご自身で作成することも十分可能です。ご自身で作成できれば、費用を抑えることもできます。

定款の雛形を参考にしていただければ幸いです。

目次

1. 一般社団法人の定款とは

一般社団法人設立には、定款が必要です。定款とは、設立する一般社団法人の運営に関する様々な約束事項が書かれた書類と考えてください。

尚、本文中に「一般社団法人法」とあるのは、「一般社団法人及び一般社団法人に関する法律」の略になりますので、予めご了承ください。

1-2. 一般社団法人の定款作成の流れ

一般社団法人の設立手続では、定款を作成することが最初のステップになります。 

一般社団法人の定款とは、名称や住所、目的などといった基本的な事項と、組織や意思決定方法などの法人運営上の事項をまとめた重要な書類になります。 

尚、一般社団法人には、必ず定款で定めなければならない事項があります。必須事項以外について、定款で何も定めなかった場合には、その事項については、法律の規定に従うことになります。

1-3. 一般社団法人の定款は誰が書くのか?

一般社団法人を設立する場合には、社員になろうとする人が共同して定款を作成し、署名押印をします。そして、この定款は、公証人の認証を受けなければ効力は生じません。

一般社団法人の定款はは、設立時社員(発起人)が作成します。 
設立時社員は、2人以上必要です。

定款は、文書によって作成する方法と電子に作成する方法とがあります。 
電子で作成された定款を「電子定款」と呼びます。 

1-4. 一般社団法人の定款の絶対的記載事項

定款を作成する際に、絶対的記載事項が7項目ありますので紹介します。

1-4-1. 目的 

一般社団法人の事業目的については、法律上、特に制限はありません。法律に違反しない限りにおいては、どのような事業でも目的に記載することができます。

1-4-2. 名称 

一般社団法人は、その名称に「一般社団法人」を使用しなければなりません。
同じ名称、同じ所在地での登記はできません。

1-4-3. 主たる事務所の所在地 

定款に記載する所在地は、最小行政区画(市区町村)の記載で足ります。

最小行政区画までの記載に留めた場合には、定款作成後に、設立時社員によって番地まで決定しておく必要があります。 

1-4-4. 設立時社員の氏名又は名称及び住所 

一般社団法人の設立には、定款に設立時社員の氏名又は名称及び住所の記載が必要になります。社員個人の印鑑登録証明書と同一の氏名、住所の記載が求められます。

社員が法人の場合には、法人の名称と住所を記載します。

1-4-5. 社員の資格の得喪に関する規定 

社員の変動に関する事項を記載します。
社員となるための資格や入退社の手続き、退社事由などの定めを記載します。 

1-4-6. 公告の方法 

公告の方法には、官報に掲載する方法、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、電子公告、主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲載する方法、法人の掲示場に掲示する方法の4つの公告方法があります。

この4つの中から社員が広告方法を選択し、定款に記載しなければなりません。

尚、費用や手間を考えて、一番現実的なのは、「官報」もしくは「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲載する方法=法人の掲示場に掲示する方法となります。 

1-4-7. 事業年度 

一般社団法人は、各事業年度に係る計算書類、事業報告、その他付属明細書を作成しなければなりません。これを事業年度ごとに行うことから、定款において、計算の基礎となる事業年度を記載します。いわゆる「決算月」です。 事業年度は法人によって自由に定めることができます。 

1-5. 一般社団法人の定款の相対的記載事項

定款の定めがなければ、その効力を発揮しない相対的記載事項があります。

  • 経費の負担に関する定め
  • 任意退社に関する定め
  • 社員総会の決議要件に関する定め
  • 理事の任期に関する定め
  • 理事業務の執行に関する定め
  • 理事会の招集手続き関する定め

など

2. 一般社団法人の定款の雛形

ここまで、定款を作成する際の流れを見ていきましたが、文章だけではわからないこともあると思うので、定款の雛形を用意しました。サンプルがあると作成のイメージができると思います。作成する際の参考にしてください。

一般社団法人○○○○○協会

定款

第1章 総則
(名  称)

第1条
当法人は、一般社団法人○○○○○協会と称する。
(主たる事務所の所在地)

第2条
当法人は、主たる事務所を          に置く。
(目  的)

第3条
当法人は、健康の増進に寄与する食事法を広く一般に提案することを目的とするとともに、その目的に資するため、次の事業を行う。
  ○○○○マイスターの認定
  人材育成のための教育事業
  食と健康に関する情報提供及び出版
  前各号に付帯する一切の業務
(基金の総額)

第4条
当法人の基金の総額(代替基金を含む)は、金  万円とする。
(公告の方法)

第5条 当法人の公告は、事務所の掲示場に掲示する。
(基金の拠出者の権利に関する規定)

第6条
拠出された基金は、基金拠出者と合意した期日まで返還しない。
(基金の返還の手続)

第7条
基金の拠出者に返還する基金の総額については、定時社員総会における決議を経た後、代表理事が決定したところに従って返還する。

 

第2章 社員
(入社)

第8条
当法人の目的に賛同し、入社した者を社員とする。

社員となるには、当法人所定の様式による申込をし、1口5万円の基金を拠出し、代表理事の承認を得るものとする。
(経費の負担)

第9条
当法人の運営に必要な経費は、当法人の事業収益をもって賄うものとし、社員は経費を負担する義務を負わない。(退社)

第10条
社員はいつでも退社することができる。但し、予め、1か月以上前に当法人に対して退社の予告をするものとする。

前項の場合の他、社員は次に掲げる事由により退社する。
  ①総社員の同意
  ②死亡又は解散
  ③除名
(除名)

第11条
当法人の社員が、当法人の名誉を毀損し、又は、当法人の目的に反するような行為をしたとき、又は、社員としての義務に違反したときは、社員総会の決議により除名することができる。
(社員名簿)

第12条
当法人は、社員の氏名又は名称及び住所ならびに基金の拠出額を記載した名簿を作成する。
(設立時の社員の氏名及び住所)

第13条
設立時の社員の氏名及び住所は、次のとおりとする。

 東京都○○区○○2丁目22番2号
 協会花子
 神奈川県○○市○○111番地1
 協会太郎

 

第3章 社員総会
(社員総会)

第14条
当法人の社員総会は、定時総会及び臨時総会とし、定時総会は毎年 月にこれを開催し、臨時総会は必要に応じて開催するものとする。
(開催地)

第15条
社員総会は、主たる事務所の所在地(東京都○○区)において開催するものとする。
(招集)

第16条
社員総会は、代表理事がこれを招集するものとする。
社員総会の招集は、理事の過半数でこれを決する。
(社員による招集請求)

第17条
社員による招集請求は、総社員の議決権の4分の1以上を有する社員に限って、これをなしうるものとする。
(決議の方法)

第18条
社員総会の決議は、法令に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席社員の議決権の過半数をもって、これを決する。
(議決権)

第19条
社員は、拠出した基金5万円につき1個の議決権を有する。
(議長)

第20条
社員総会の議長は、代表理事がこれに当たる。代表理事に事故があるときは、理事の互選により議長を定める。
(議事録)

第21条
社員総会の議事については、議事録を作り、これに議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び出席した理事がこれに記名押印することを要する。

 

第4章 理事及び監事
(員数)

第22条 
当法人には、理事 名以内及び監事1名を置く。
(資格)

第23条
当法人の理事及び監事は、当法人の社員の中から選任する。但し、必要があるときは、社員以外の者から選任することを妨げない。
選任は、社員総会の決議により行うものとする。
(任期)

第24条

理事および監事の任期は、就任後2年内の最終の事業年度に関する定時社員総会の終結の時までとする。

任期満了前に退任した理事の補欠として、または、増員により選任された理事の任期は、前任者または他の在任理事の任期の残存期間と同一とする。

任期満了前に退任した監事の補欠として、または、増員により選任された監事の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする
(代表理事)

第25条

当法人には、代表理事(理事長)1名を置き、社員総会の決議によりこれを定める。
代表理事(理事長)は、当法人を代表し、法人の業務を統轄する。
(理事及び監事の報酬)

第26条
理事及び監事の報酬は、それぞれ社員総会の決議をもって定める。

 

第5章 計算
(事業年度)

第27条
当法人の事業年度は、毎年 月1日から翌年 月31日までとする。

 

第6章 附則
(最初の事業年度)

第28条
当法人の最初の事業年度は、当法人成立の日から平成◯年△月31日までとする。
(最初の役員)

第29条
当法人の最初の役員は、次のとおりとする。

理事   協会花子
     協会太郎
代表理事 協会花子
監事   資格次郎
(最初の理事及び監事の任期)

第30条
当法人の最初の理事及び監事の任期は、就任後2年内の最終の事業年度に関する定時社員総会の終結の時までとする。
(根拠法令)

第31条
この定款に規定のない事項は、すべて一般社団法人及び一般財団法人に関する法律その他の法令によるものとする。

上記のとおり相違ありません。

平成  年  月  日
一般社団法人○○○○○協会
代表理事  協会花子 ㊞

 

3. 一般社団法人の定款の変更方法

一般社団法人の定款の変更方法は以下の通りです。

3-1. 社員総会の特別決議を行う

一般社団法人の定款の変更には、社員総会の特別決議で定款変更を行います。

一般社団法人の社員は、一般社団法人の発起人です。言わば、オーナー的存在ですので、社員総会の決議が必要になります。

3-2. 定款を変更には、登記が必要か?

一般社団法人の定款を変更をしたら、必ず登記も変更する必要があるのかについてですが、その答えは、変更登記が必要な事項と不要な事項があります。

定款記載事項で、かつ登記事項の場合には、定款の変更に伴って、登記も変更する必要があります。

定款の変更に伴って、登記の変更が必要な事項は、以下の通りです。

  • 名称変更登記
  • 目的変更登記
  • 主たる事務所の移転登記
  • 理事会の設置・監事の設置登記
  • 役員変更登記(理事会設置の定款作成の場合)

これらの事項に関しては、定款を変更した際には、管轄の法務局で変更登記の申請をする必要があります。期限は、定款変更の日から2週間以内です。

4. 一般社団法人の定款の印紙税について

一般社団法人が作成する定款の印紙税については、以下の通りです。

4-1. 印紙税について

印紙税が課税される定款は、会社(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、相互会社)の設立のときに作成する定款の原本に限られています。

したがって、一般社団法人が作成する定款については、印紙税の課税対象となりません。

4-2. 一般社団法人の定款の印紙代はいくらか?

一般社団法人の定款には、収入印紙は入りません。定款を法務局に提出する際に、法定費用として印紙代を6万円支払います。

定款作成から提出までの手順は以下の通りです。

4-2-1. 公証人役場で認証を受ける

一般社団法人の定款の認証は、公証人役場で行いますが、提出する定款には収入印紙は必要ありません。

会社設立時の紙媒体のでの定款認証には、通常4万円の印紙を貼りますが、一般社団法人の定款には貼らなくて結構です。

なお、公証人役場での認証費用には、5万円かかります。

4-2-2. 法務局で登記する

また、定款の認証(数日かかります)を受けた後ち、法務局へ赴いて、登記手続きを行います。

法定費用として、6万円かかります。法務局にて収入印紙を購入して支払います。

5. 一般社団法人の定款認証手順について

一般社団法人の定款の認証手続きの詳細をご紹介します。

一般社団法人の設立をする際には、一般社団法人の憲法にあたる「定款」を作成しなければなりません。そして、定款の「認証」を受けなければなりません。定款の認証がないと、一般社団法人は設立できません。

5-1. 定款の認証とは

定款の認証とは、正当な手続きによって設立したことを公の機関が証明することになります。その定款を認証する権限は、公証人の権限とされています。

認証手続きに行く公証人役場は、「主たる事務所の所在地」のある都道府県内の公証役場なら、どこの公証役場でも結構です。

一般社団法人の定款は、公証人の認証手続きを経ないと、効力が生じません。

5-2. 定款の認証手続きの方法

定款の認証手続きは、以下の手順で行います。

まず、定款を3部作成します。A4用紙で印刷します。
それぞれ左側を2箇所ホチキス留めをします。

定款の発起人の氏名欄と各ページ間に、全員の実印を押印します。

その他書類を揃えて、公証人役場に認証手続きに行きます。

5-2-1. 公証役場へ持参するもの

公証役場に持参するものは、以下のになります。

  • 定款3部
  • 設立時社員全員の実印
  • 設立時社員全員の実印の印鑑証明書(発行3か月以内のもの)
  • 公証人への手続き手数料5万円

5-2-2. 認証手続きに行けない社員がいるとき

定款の認証手続きには、設立時社員全員で行かなければなりません。

しかし、定款認証手続きに行けない設立時社員がいる場合は、認証手続きに行く人へ委任する「委任状」を提出することによって、認証手続きをすることができます。

その場合には、上記以外に「認証手続きを託す」という内容の委任状を作成し、それを公証人役場に一緒に持参します。

6. 一般社団法人の定款に基金を記載するには

一般社団法人は、設立時には財産の拠出を必要としません。
活動のための資金調達の手段としては、「基金制度」が設けられています。

6-1. 一般社団法人の基金について

基金とは、社員や社員以外の人から法人の財産の「拠出」を受けるものです。

これは「出資」とは異なります。基金は、一定の要件のもとに、返還義務が生じます。したがって、完全に法人の財産となるわけではありません。

一般社団法人設立には、基金は必ず設けなければならないわけではありません。基金の設置は、あくまでも一般社団法人の任意になります。

6-2. 一般社団法人の基金の募集について

一般社団法人の基金の設置は任意とは言っても、勝手に基金の募集はできません。募集をするには、定款に基金に関する条項を定めなければなりません。

すでに定款を作成している場合には、定款を変更しなければなりません。その際には、社員総会の特別決議が必要になります。

なお、基金制度を採用した場合には、それを廃止することはできませんので、ご注意ください。

6-3. 基金制度を採用する場合の手続き

基金制度を採用する場合は、基金の拠出者に関する規定や基金の返還手続きの方法などを定款に定めておきます。

基金の額については制限はありません。金銭以外の不動産も基金とすることができます。

なお、現物の拠出をする場合には、その価額調査のために裁判所に申し立てが必要となります。

6-4. 基金の募集方法とその拠出の方法

基金を募集する場合、その都度、募集に係る基金の総額等、募集事項を定め、拠出者に通知しなけれなばなりません。

基金の拠出者は、募集事項等に記載されている期日内に、基金を払い込みます。

6-5. 基金の返還について

貸借対象表上の純資産額が基金の合計額を超える場合には、その超過額分を限度額として、基金の返還をすることが可能です。

基金は、拠出者がいつでも返還を求めることのできない貸付金という扱いのものになります。

尚、基金を返還するには定時社員総会の決議が必要となります。

6-6. 一般社団法人の基金には利息はつかない

基金の返還には、利息をつけることはできません。

7. 一般社団法人の定款の閲覧について

「一般社団法人及び一般社団法人に関する法律」の第14条に、定款の備置き及び閲覧等についての定めがあります。

(1)設立時社員は、定款を設立時社員が定めた主たる事務所に備え置かなければならない。

(2)設立時社員は、その業務時間内は、いつでも請求できます。

  • 定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
  • 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
  • 定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
  • 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立時社員の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

このようになっていますが、ウェブサイトなどに公開している一般社団法人も多くあります。また、定款は法人管轄の法務局にて登記しているため、謄本の閲覧が可能になっています。

8. 非営利型一般社団法人の定款 

一般社団法人のうち、一定の要件に該当するものを「非営利型一般社団法人」といい、「普通型一般社団法人」とは区別します。

非営利型一般社団法人は、法人税法上、「公益法人」として扱われます。
普通型一般社団法人は、法人税法上、「普通法人」として扱われます。

8-1. 非営利型一般社団法人のメリット

非営利型一般社団法人は、収益事業から生じた所得のみが課税対象になります。会費などは非課税になりますので、節税になります。

8-2. 非営利型一般社団法人の要件

非営利型一般社団法人の要件は、2通りあります。

非営利型一般社団法人として認定されるには、「非営利が徹底された法人」あるいは「共益活動を目的とする法人」のどちらかすべての要件を満たさなければなりません。

ただし、これらの要項を満たせば、特別な手続を踏むことなく、法人税法上「公益法人」として扱われる非営利型一般社団法人となります。

8-2-1. 非営利が徹底された法人の要件

(1)剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること

(2)解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や公益社団法人、公益財団法人等一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること 

(3)上記(1)及び(2)の定款の定めに違反する行為を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。 

(4)各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。

よって、非営利型一般社団法人にするためには、理事の人数は3名以上必要になります。

  • 理事とその理事の親族等である理事の合計数

①.その理事の配偶者
②.その理事の3親等以内の親族
③.その理事と婚姻届は出していないが内縁関係にある者
④.その理事の使用人
⑤.①~④以外の者でその理事から受ける金銭その他の資産によって生活している者
⑥.③~⑤の者と生計を一にするこれらの者の配偶者又は3親等内の親族 

8-2-2. 共益活動を目的とする法人の要件

(1)会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。

(2)定款に会費の定めがあること。

(3)主たる事業として収益事業を行っていないこと。

(4)特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定款に定めていないこと。

(5)解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと。

(6)上記(1)から(5)まで及び下記(7)の要件に該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。

(7)各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。

よって、非営利型一般社団法人にするためには、理事の人数は3名以上必要になります。

9. 一般社団法人の定款には目的を記載する

一般社団法人の事業目的は、定款に定めなければなりません。絶対的記載事項になります。

一般社団法人の事業目的については、法律上、特に制限はありません。株式会社と同じように収益のある事業を行うことも可能です。法律に違反しない限り、どのような事業でも目的に記載することができます。

9-1. 事業目的は、なるべく分かりやすくと良い理由

事業目的は、なるべく分かりやすく、明確に記しましょう。

一般社団法人の事業目的には制限はありませんが、設立後に、将来、非営利型一般社団法人、または公益社団法人を計画されている場合には、公益目的23事業に当てはまる事業目的である必要があります。

また、許可や認可、指定を受ける必要がある事業は、許可の根拠法令を意識した表現で事業内容を定めることをおすすめします。

9-1-1. 公益的事業23項目

公益的事業には、以下の23項目があります。

1.学術及び科学技術の振興を目的とする事業
2.文化及び芸術の振興を目的とする事業
3.障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業 
4.高齢者の福祉の増進を目的とする事業
5.勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
6.公衆衛生の向上を目的とする事業
7.児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
8.勤労者の福祉の向上を目的とする事業
9.教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的 とする事業 
10.犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
11.事故又は災害の防止を目的とする事業
12.人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業 
13.思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
14.男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
15.国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業 
16.地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
17.国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
18.国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
19.地域社会の健全な発展を目的とする事業 
20.公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
21.国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
22.一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
23.前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの

9-2. 定款に定める事業目的の例

第3条(目的及び事業)
当法人は、○○○○を目的とし、次の事業を行う。
□□事業
△△事業
前各号に附帯する一切の事業

第3条(目的及び事業)
当法人は、次の事業を営むことを目的とする。
□□事業
△△事業
前各号に附帯する一切の事業

10. 一般社団法人の定款の雛形のまとめ

一般社団法人を設立するのは、定款の作成が必須となります。定款を作成する際には、絶対的記載事項があります。これを省くことはできません。

定款の作成は行政書士に依頼することが多いですが、上記のような雛形を活用することで、ご自身で作成することもできます。

いずれにしても、事業の目的を記す際には、設立時社員、もしくは理事の思いが反映した事業目的であることが大事です。代行で作成してもらうにしても、この部分はご自身で十分考えなければなりません。

この定款を作成する段階は、一般社団法人の設立が一気に近づいてくる大切なパートになります。

一般社団法人の全体的な概要については「一般社団法人とは?|13のポイントをわかりやすく解説」こちらの記事でわかりやすく解説しているので、合わせて参考にしてください。

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一般社団法人の定款の作り方

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吉岡岳彦

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