一般社団法人とは?|簡単に設立のポイントを解説

「一般社団法人とは?」簡単に解説するのイメージ画像

一般社団法人は、株式会社と同じような手続きで設立が可能です。一般社団法人は、株式会社と同じように利益を追求しても、利益をたくさん出しても構いません。

ここでは、一般社団法人に関する基礎知識をはじめ、実際に設立するまでの手順や方法、一般社団法人を設立するメリット、資本金や税金、社員や理事についてなど、それぞれのパートに分けて紹介していきます。

より詳しく調べたい方は、さらに詳細に記した記事のリンクを付けておきましたので、一つひとつ読み深めていただければと思います。

一般社団法人とは?

一般社団法人は、2006年に始まった公益法人制度改革によって、それまでの社団法人に代わって設けられました。そして、2008年12月に施行された『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』をもとに設立された社団法人のことを指します。

従来の社団法人は設立許可を必要としていましたが、一定の手続きと登記を経れば、官庁の許可を得なくても誰でも設立することが可能です。また、設立後も行政からの監督や指導がありません。

社団法人の一つ

一般社団法人は、社団法人の一つです。社団法人には、「一般社団法人」「公益社団法人」があります。

一般社団法人に比べ、公益社団法人になるには難しく、ある条件を満たして行政などに認可されなければなれません。

株式会社とは違う

一般社団法人は、株式会社とは別の法人形態です。一般社団法人には、株券はありません。

NPO法人とも違う

NPO法人(特定非営利活動法人)とも違う法人形態です。NPO法人は、『特定非営利活動推進法』で定めた範囲内での活動に限定されます。

一方、一般社団法人は『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』の定めの範囲内での活動になりますが、株式会社でできるほとんどの活動が行えます。とても自由度の高い法人形態になります。

一般社団法人は非営利団体

一般社団法人は「非営利団体」で、株式会社は「営利団体」です。

「非営利団体」と聞くと、利益を追求してはいけないと思われがちですが、決してそのようなことはありません。株式会社のように、利益を目的とした活動をしても構いません。一般社団法人は、株式会社のように利益を得て、いくら儲けても構いません。

活動の範囲は、株式会社ができることとほとんど同じと考えてよいです。

非営利の考え方

「営利」「非営利」の考え方ですが、これは一般の私たちからすると随分、認識が異なります。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」で示されている「営利」という言葉の意味は、「利益配分」ということです。一般社団法人は、利益分配をしない、配当を出さない組織ということになります。

株式会社では、利益が出たら株主に配当を出します。一般社団法人では、利益が出ても社員に配当できません。ここが株式会社との大きな違いになります。

※   一般社団法人では、オーナーに当たる発起人のことを「社員」と言います。 


報酬を出せる

では、出た利益を配当にできないとなると、利益を出しても受け取れないことになります。それでは、完全なボランティアになってしまいます。

出た利益は発起人の設立時社員(株式会社の株主に当たる存在)に配当できませんが、一般社団法人を実際に運営する理事(株式会社の取締役に当たる存在)が理事報酬として受け取ることができます。

多くの一般社団法人では、協会を運営しています。その際、設立時社員と理事が同一人物であることが多くあります。社員としての配当はありませんが、理事が理事報酬を受け取ることはよくあります。もちろん、これは理事としての活動に対する報酬になります。

ちなみに、理事報酬の法律上の上限はありません。利益に応じて、高額な報酬を受け取ることも可能です。ただし、倫理上の問題もありますので、社会通念に従った金額にするのが妥当です。

永く続く組織にするためにしっかり利益を出す

一般社団法人は、株式会社のようにかなり自由度の高い組織になります。一般社団法人法の意味は、「続くような社会貢献になる事業をしてほしい」という思いでもあります。しっかりと利益を出さなければ、事業を継続できません。お客様や会員さん、受講生さんのためにも、正当な利益を出して、長続きする事業を行えるよう一生懸命取り組んでください。

上場はできない

一般社団法人は、株式会社のようにかなり自由度の高く、利益をいくら出しても良いと言いましたが、そもそも株式会社ではありませんので、株券がありません。従って、株式を上場することができません。

経営者として、将来上場を目指されるのであれば、その場合には、一般社団法人は相応しくありません。株式会社を設立する方が望ましいでしょう。

 

設立の要件

株式会社と同じような活動ができる一般社団法人ですが、設立の要件などは多少の違いがあります。一つひとつ確認していきましょう。

「一般社団法人」という名称を入れる

一般社団法人を設立するには、「一般社団法人」という名称を前後どちらかに(ほとんどが前です)つけなければなりません。

社員の人数

一般社団法人を設立するには、2人以上の設立時社員(発起人)が必要になります。

一般社団法人の設立の際に2人以上の社員がいれば、設立後に社員が1名に減っても、解散になりません。ただし、社員が0名となった場合には、解散になります。

理事の人数

一般社団法人を設立するには、1人以上の理事が必要になります。

絶対的記載必要事項

一般社団法人の定款では、以下の事項を必ずを記載しなければなりません。これを定款の絶対的記載事項と言います。

  •  一般社団法人の目的
  •  一般社団法人の名称
  •  主たる事務所の所在地
  •  設立時の社員の氏名または名称、および住所
  •  社員の資格の得喪に関する規定
  •  公告方法
  •  事業年度
  •  監事、理事会、会計監査人を置く場合には、その旨の定め

 

定款の認証

一般社団法人の定款の認証は、公証役場で行います。定款を3部作成し、紙媒体で定款認証を行います。

認証の費用には5万円かかります。

定款には電子定款認証がありますが、一般社団法人の定款認証には収入印紙代(4万円)が生じませんので、紙媒体(プリントした書面)で認証を受けると良いでしょう。

定款の認証(数日かかります)を受けた後、法務局へ赴き、登記手続きを行います。

法定費用として、6万円かかります。収入印紙を購入して支払います。

公証役場で臨床を受けた定款を法務局に提出した日が、一般社団法人の設立日になります。実際には、そこから2週間前後で正式に手続きが完了します。

一般社団法人設立の費用

一般社団法人の設立にかかる費用の内訳は、以下の通りです。

  •   公証人役場で定款の認証にかかる費用:5万円
  •   法務局に申請にかかる法定費用:6万円
  •   一般社団法人の実印や社員や理事の印鑑証明などにかかる費用:数千円

どんなに少なく見積もっても、12万円程度はかかります。

それ以外にも、人を雇うならば、人件費。事務所を構えるならば、不動産や家賃代。事務所で使う家具、および事務用のOA機器類、文房具代、提供するサービスに使う材料費などがかかります。

一般社団法人設立の必要書類

一般社団法人を設立するにあたり、必要となる書類は以下の通りです。法務局に提出します。

  •  定款
  •  一般社団法人設立登記申請書
  •  代表理事就任承諾書
  •  理事就任承諾書
  •  登記すべき事項
  •  設立時理事の選任及び主たる事務所所在場所の決定に関する決議書

理事会の設置

一般社団法人を設立する際、定款の作成に2通りの方法があります。<理事会を設置する>という方法と<理事会を設置しない>という方法になります。どちらかを選択し、定款を作成します。

理事会を設置しない

社員2名以上で、社員総会を行います。理事を1名以上決定します。

社員には、理事の任免権があります。

理事会を設置する

社員名以上で、社員総会を行います。

理事を名以上決定します。そのうち人が代表理事に就任します。
監事を名以上決定します。(理事との兼任はできません)

社員には、理事の任免権があります。

理事会を行います。(報告義務があります)

 

基金

一般社団法人の基金について見ていきましょう。

資本金はない

実は、一般社団法人では、株式会社で使う「資本金」という言葉は存在しません。一般社団法人では、「基金(拠出金)」という言葉を使います。言葉が違うということは、意味や性格が異なります。

社員から拠出してもらう

一般社団法人の基金は、社員や社員以外の人から、法人の財産を拠出してもらう法人のお金のことです。これは株式会社の出資とは性質が異なります。

基金は貸付金

基金は定款に定めた要件で、返還の義務があります。貸付金になります。したがって、これは完全に法人の財産となるわけではありません。

資本金は、配当を目的とした金融投資です。基金は、法人の活動を支える財産です。資本金は、返還の義務のない性質のお金です。基金は、返還の義務のある性質のお金です。

定款に記載しなくてもいい

一般社団法人の定款には、基金を記載する項目ありません。基金の項目を記した際には、その定めに従います。

登記やその他の準備にかかる費用は、社員が一時負担します。法人設立後に、繰延資産として計上することができます。

 

税金

一般社団法人にかかる税金について見ていきましょう。

一般社団法人の法人税

一般社団法人にかかる税金は、株式会社と同じ法人税率になります。

ただし、一般社団法人の中でも、非営利型一般社団法人と判断されると、収益事業以外の収益に関しては、公益社団法人と同じ非課税となります。具体的には、受講料や会費などは非課税になります。

一般社団法人の税金

  •  収益事業から生じた所得に対する法人税率は、30%
  •  所得金額が年800万円以下の金額は、18%

公益社団法人の税金

  •  収益事業から生じた所得に対して課税、公益目的事業は、非課税
  •  収益事業から生じた所得に対する法人税率は、30%
  •  所得金額が年800万円以下の金額は、18%

一般社団法人の法人住民税

一般社団法人にかかる法人住民税は、株式会社と同じ均等割になります。

そして、これは個人事業主との違いになりますが、仮に収益が見込めなくとも、年間7万円の法人住民税はかかります。

 

立ち上げるメリット

一般社団法人を設立するメリットにはどのようなことがあるのかを確認しましょう。そして、自分がしようとしていることは一般社団法人に向いているかどうかをはっきりさせましょう。

自由度が高い

例えば、前述した通り、一般社団法人の活動に関しては株式会社と同等の自由度があります。公益社団法人やNPO法人には活動の制限があります。事業を営むにあたっては、活動に制限がないほうがうまくいく可能性が高まります。

申請がいらない

一般社団法人は、法人登記以外の申請などがありません。設立後に行政などへの許認可や報告義務がないので、制約が少なくなります。

決断が早くなる

また、NPO法人(特定非営利活動法人)では、社員(発起人)が10名必要です。一方、一般社団法人では、2名で設立が可能です(本人と法人の場合は、1人でも可)。人数が少なければ少ないほど、意見が分かれずにスムーズな運営ができます。素早い決断と行動が可能です。

公益社団法人に移行可能

いずれ、税制面での優遇措置を受けたいときがきた際には、公益法人への移行が可能になります。すると、一般社団法人から公益社団法人と名称が変わります。そして、営利活動以外は非課税になります。

法人による信用がつく

それ以外にも、法人手続きが簡単であること。法人名義で取引ができること。社会的な信用を与えられること。設立費用が安いこと。公益的で聞こえがいいことなど、メリットがあげられます。

 

まとめ

これからの企業のあり方の大きな役割の一つに、社会性ある活動があります。世の中の役に立つ、人のためになる活動は、ますます求められてくるでしょう。一般社団法人を設立して活動するということは、そういった具現化することでもあり、新しいリーダーシップの姿であるとも思っています。理念に溢れた素敵な一般社団法人を設立し、世の中から求められる存在になってください。

以下、一般社団法人のポイントのまとめです。

  •  法人の活動内容は問われず、登記だけで設立が可能
  •  社員2名以上で設立ができる
  •  理事は1名以上で設立ができる(社員と兼任でも可)
  •  設立時に有する資金・財産がなくても設立が可能
  •  社員総会を行う
  •  理事会、監事、会計監査人を置くこともできる
  •  基金制度を設けることもできる
  •  非課税(非営利型一般社団法人)の法人形態もある

最後に、法人成りの意味になりますが、商号(屋号)で活動しているよりも、一般社団法人を設立し、活動していくことは、自分自身の「覚悟」が決まります。これまでの肩書きから、代表理事の肩書きに変わることで、意識が変わります。覚悟が決まることで、考え方や意識が変わり、そして行動が変わります。すると、周りの反応が変わり、大きく拡がります。社会に貢献できる一般社団法人を作って、活躍してください。

一般社団法人については「一般社団法人とは?基礎知識と設立するまでのすべて」こちらの記事で徹底的に解説しているので、より詳しく知りたい方は是非ご覧ください。

協会ルネサンス
吉岡岳彦

 

kyokai-subete-banner